日本 内閣改造と成長戦略

森友・加計問題がヒートアップし、内閣支持率が過去最低の35%(NHK)を記録したところで1年ぶりの内閣改造という手を打った。

 

野田聖子の政権入りという予想は93年組という視点から比較的簡単であったと思うが、河野太郎はノーマークでした。個人的に直前に至るまで重要閣僚の外務大臣のポストが決まらないというのは、政権のビジョンの欠如もしくは内閣主導の首脳外交を意図していることを示しており個人的には遺憾な次第。他、霞が関の細かい事情を知らない私は、女性ポストをどう扱うのかという点でまさかの片山さつきもあり得るかと踏んでいたが、おそらくこういう予想はただの阿呆なんだろう。

印象として岸田派が多い。林芳正小野寺五典といった個人個人で見れば全く意外ではないのだが、ここまでの譲歩は正直予想外。石破さんと親しい報道された梶山弘志小此木八郎は菅官房長官に近いイメージ。江崎鉄磨は歴とした二階派というかお父さんや創政会の立ち上げといった往年の"修羅場"を思い出す。世襲組は有利だなと思うのはやはりお父さんを知っているというか、現下の外交で河野外務大臣が述べている通り、認知度が高めだ。副大臣政務官ポストの配分は従来と変わらず。ヒゲの隊長が外務副大臣になった。河野&佐藤(&中根←知らない)で意思疎通は大丈夫なのか?

さて河野太郎とはどのような人物なのだろう。信条・思想etc. この点に関して、いわゆる五大日刊紙の記事に注目していたのだが、特に核心を突いたような報道はなかった。彼が安倍外交に追随するか否かはともかく、彼自身がどのような外交をイメージしている政治家なのかいまいち追いきれていないと感じる。残念ながら当分の間は対米・中・韓関係を受動的に精査するということになるだろう。

 

安倍仕事人内閣は経済第一と銘打った。とは言っても打てる金融政策はほぼ底を打ち財政政策には限りがある。となると成長戦略に力を入れるべきなんだが、女性活躍→一億総活躍→人づくり革命とネーミングを変えつつ労働力の確保(?)に向けた政策をアピールするのみで、全要素生産性を高めるための技術革新の奨励だとか、潜在成長力の核となる政策を打ち出すことに失敗している。将来の生産年齢人口の減少に対する根本的な解決策は出生率を回復させること以外にあり得ない。まず、人づくり革命というならば国民が子どもを産みやすい環境の整備に全力を尽くすべきで、例えば教育の無償化は良い試みであると考える。お隣の国の成果はともかく、女性家族省を立ち上げるなども対策の1つとなるだろう。そしてベクトルを将来の先取りに向けることが大切ではないか。構造改革が何より重要であると思う。メディアの報道が全てでないと願いたい。

 

そして気になるのはマイナス金利政策の出口であろう。人工的に作られた市場と日銀による国債の貯め込みはおそらく、長期的に持続可能ではない。銀座の一等地で地価の上昇が見られたりなどはあるが、かつてのバブルの再来もまた想像に難しい→そういった意味においてはマイナス金利も悪くないのだが、問題はFRBなりECBが引き締め目的に金利を引き上げていった時、日本にも利上げ圧力が高まることだ。マイナス金利への固執は大きな反動を生む。円と債券相場の暴落が起これば、日本はどうなるのだろう。日本においては債権者もまた大半が日本国民であり問題ないという考え方もあるが、納得できるようで納得できない話でもある。国民と国家は一心同体であると言えばそれまでなんだが。

最近、そもそも物価上昇率2%という目標自体が正しいのかという議論があるが、それが間違っているとは思っていない。

しかし、消費者物価指数もまた曲者であり、例えばバブル期も最後まで上がらなかった。当時も企業や法人とは異なり個人は一部を除いて出費増に慎重だったという見方もある。需要が高まらなければ物価が上がることもない。また、値下げ競争に対する日本企業の優秀性といった要因もあると思う。そしてもちろん、為替とエネルギー価格によっても大きく左右される。

政府と日銀には上手く落としどころを見つけなければならない。今は誤ったシグナルを出せないがために選択肢も狭まり、行き詰まっているといったところだろうか。

 

昨日、知り合いと日本経済について話をしている時、数多くのアジア特有の問題; 日本に遅れて中国・韓国も高齢化と財政の悪化が予想されていることを踏まえて、停滞はアジアの思想文化が元凶なのではないかというまた元も子もない1つの結論の候補が出た。キャッチアップの終わりの段階を向かえ、中国はe-コマースの分野で韓国は半導体の分野で、現在は好調といえるかもしれない。しかし、問題はキャッチアップを越えた後の成長であって、両国は成長率は低下する一方であろう。もちろん現在の日本に比べると随分と高い水準であるともいえるのだが、バブル期と比べ相対的に悪くなった今の日本の一人当たりGDPにすら追いつくことは難しい。そしてアメリカは長期的な高成長を享受している。ヨーロッパも低成長であるが、生産性に優れている社会だ。これらの違いは何に起因しているのだろうか。希望が持てる1つの結論の候補はイノベーションの駆動力であり、内閣にはぜひともイノベーションをアピール→前に進めてもらいたい。