台湾・香港 独立の可能性について

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写真は左→游蕙禎(Yau Wai-ching)右→梁頌恒(Sixtus Leung)

香港の議員宣誓問題: 青年新政ー梁頌恒&游蕙禎は議員宣誓無効に異議を唱えて、終審法院へ上訴申請している。1) 申請が最終的に認められるのか 2) 判決はどのように下される 3) 判決後の青年新政の対応は。

出典: wikipedia https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E6%B8%AF%E7%AB%8B%E6%B3%95%E6%9C%83%E5%AE%A3%E8%AA%93%E9%A2%A8%E6%B3%A2

 

台湾・香港において、独立派の勢いが増している。

2014年、雨傘運動・ひまわり学生運動が起こり、民主派勢力が伸長→若者を中心とした独立派は共感を得、延いては政界にまで影響力を持つようになった。

台湾では時代力量が5議席(113)を獲得し、香港では反中勢力が6議席(70)を獲得した; その内の2議席は現在空席ー青年新政: 梁頌恒&游蕙禎ー。双方共に独立を主張している; 時代力量は「台灣的國家地位正常化」、青年新政は「重奪屬於我們的香港」を掲げる。

時代力量 New Power Party https://www.newpowerparty.tw/

青年新政 Young Spiration http://youngspiration.hk/

 

今回は、台湾・香港における "独立"について考えてみたい。はじめに台湾・香港が持つ特殊な環境について整理し、次にアイデンティティと世論に目を向ける。

 

①台湾と香港の特殊な環境

台湾と香港が起これている状況は根本的に違う。

台湾・・・中国は台湾に直接影響力を行使することが出来ない; 台湾総統は台湾が実効支配している区域の住民によって選出されている。台湾は独自の軍隊を保有しており、例えば中国が攻撃を加えたならば、諸外国の反発が予想される。いくつかの国際機関に加盟またはオブザーバーとして参加しており、20程の国々とは国交がある。国家の三要素「領土・国民・主権」を備えている。

香港・・・中国の国土の一部; 独立を支持する国はおそらく少ない。香港は「高度な自治」を2047年まで保つことが権利として認められているが、香港基本法全人代の解釈に依存しており、共産党の意向が反映される。行政長官は共産党の支持が無ければ当選が難しい。香港を守る軍隊は人民解放軍である。

独立という観点から台湾と香港を比べると、香港がより厳しい環境に置かれている事が分かる。

 

アイデンティティと世論

台湾政治大學選舉研究中心 http://esc.nccu.edu.tw/app/news.php?Sn=166

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香港大學民意研究計劃 https://www.hkupop.hku.hk/chinese/popexpress/ethnic/index.html

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双方とも緑の分布を見てほしい。台湾人・香港人意識の変遷を辿ることが出来る。台湾人意識に関しては1992年~右肩上がりであることが確認できるだろう。一方香港では、返還当初高かった香港人意識は2000~09年にかけて退潮し、2010年以降再び上昇していることが分かる。

先行研究によると、台湾において、純粋に台湾人化(中華民国の台湾化)が進んでいると解釈できるが、香港では大陸の急激な成長に伴う格差の縮小が香港人意識の減退を招いている側面が指摘されている。加えて、地元愛としての香港人意識が幅広く共有されている; 独立とは一線を画す香港人意識がある。多くの台湾人は"現状維持"を望んでいるが、それは個人の自由が保障され、事実上の独立を得た台湾の"現状"であり、台湾国家感を共有していると理解できる。

 

結論:①・②より

台湾>香港ー台湾にポジティブな要素を発見しやすい

台湾は独立国に果てしなく近い状態であり、台湾人アイデンティティも高まっている。一方、香港は高度な自治区にとどまり、香港人意識は高まっているが下落することもある。また独立国としての香港とは異なる地元愛としての香港人意識も強い。

 

もちろん現実では、台湾及び香港が独立を果たす可能性は極めて低いだろう。なぜなら、台湾や香港は中国にとって"核心的利益の中の核心"であるからだ。

当記事を通して結論付けることが出来る1つのインプリケーションは、香港で目下行われている独立派の活動が実に難しいタスクであることである。ドメスティックな要因のみを考慮しても香港において共通理解を得ることは簡単ではない。ただそれは、青年新政の活動が蛇足であることを意味している訳ではないということも述べておきたい。