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中国 第19回党大会の人事予想

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出典:人民網日本語版 http://j.people.com.cn/94474/8019449.html

 

第17回党大会では、序列で習近平李克強を上回るというハプニングがあった。

第18回党大会では、李源潮の落選、汪洋⇔薄熙来(失脚)も昇進果たせずという驚き、首相と全人代常務委員長の序列逆転劇が起こった。

 

さて、大胆にも!第19期政治局常務委員を予測してみようというのが今回の試みである。以下、私の平凡な予測をご覧あれ。

  1. 習近平(Xí Jìnpíng)・・・総書記、国家主席、中央軍事委員会主席
  2. 李克強(Lĭ Kèqiáng)・・・国務院総理
  3. 王滬寧(Wáng Hùníng)・・・全人代常務委員長
  4. 汪洋(Wàng Yáng)・・・人民政治協商会議主席
  5. 胡春華(Hú Chūnhuá)・・・副主席、中央書記処書記
  6. 孫政才(Sūn Zhèngcái)・・・副総理
  7. 栗戦書(Lì Zhànshū)・・・中央規律検査委員会書記

凝った予想をしてみたいと考えていたが、最も王道の答えかもしれない。王滬寧と汪洋は1期で引退すると推定している。懸念は、習近平派と共青団派が多く、江沢民の色が薄いこと。

第19期政治局常務委員を上記7名で確定であると仮定し、他考えられること

①序列3位と4位の逆転⇒汪洋(全人代常務委員長)、王滬寧(人民政治協商会議主席)

②序列3位と7位の逆転⇒栗戦書(全人代常務委員長)、王滬寧(中央規律検査委員会書記)

③栗戦書が序列5位に繰り上がり、6位と7位に「第六世代」のホープ。

胡春華孫政才の序列及び役職の逆転。

ただし、①と②は考えづらい。双方ともに当該者の年齢(栗戦書が年長)経歴(汪洋は政治局委員2期)を考慮に入れると、選択肢として浮かび上がってくる程度。

一方、③も中央書記処書記と中央規律検査委員会書記の序列を考えると可能性は低い。④は分かりません。いくら考えても正解にたどり着かない。

 

第19期政治局常務委員ー昇格の確率ー

習近平李克強が留任、王岐山含め他5名は引退、政治局常務委員は7名と仮定。

80% 胡春華(Hú Chūnhuá)広東省党委書記・・・「第6世代」共青団派のホープ: 胡錦濤の秘蔵っ子。習近平と同じ道を歩むことになるだろう。

80% 孫政才(Sūn Zhèngcái)重慶市党委書記・・・「第6世代」江沢民派の賈慶林に近い。習近平への忠誠度では胡春華よりも上。李克強の後継者となるか。

60% 栗戦書(Lì Zhànshū)中央弁公庁主任・・・習近平の側近、習近平の力で常務委員に加わると予想。

60% 汪洋(Wàng Yáng)副首相・・・共青団派。すでに政治局委員を2期務め、経歴は要件を十分に満たす。第20期に常務委員入りの資格を残すことがどう影響するか。

60% 王滬寧(Wáng Hùníng)中央政策研究室主任 ・・・江沢民胡錦濤習近平に仕えた党指導理論のブレーン。政策立案者、スピーチライター。昇進の反発を招きにくいという点は強み。彼も第20期に資格を残す。

50% 趙楽際(Zhào Lèjì)中央組織部部長・・・最近の組織部部長は李源潮を除いて常務委員入りしている。共青団派に属すると思われていたが、最近は習近平派(陝西幇)に分類されることが多い。諸派に受け入れられやすい人材。

20% 張春賢(Zhāng Chūnxián)中央党建工作指導小組副委員長・・・元新疆ウイグル自治区党委書記。閑職に就いたと見るべきか、昇進への道と見るべきか。「習近平引退勧告」公開書簡事件の黒幕という憶測も。個人的には政治局員留任の可能性が一番高いと見てる。

20% 李源潮(Lǐ Yuáncháo)副主席・・・共青団のボス。しかし、取り巻きが腐敗取り締まりの対象にあっているので、穏健に引退と予想。

20% 韓正(Hán Zhèng)上海市党委書記・・・上海幇。副市長が失脚し、度々上海からの人事異動が噂される。引退の可能性もある。

50% その他1名・・・習近平が側近を登用する可能性も。陳敏爾、夏宝龍、その他。

 

以上、予想を述べてみました。第19回党大会は2017年の秋に開催が予定されている。結果が楽しみだなと思いつつ、大コケするのが怖いです。

 

最後に、中国政治と権力闘争について。

第18期6中全会開催に合わせて、複数の中国本が出版された。

福島香織『赤い帝国・中国が滅びる日』(ベストセラーズ、2016年)

中澤克二『中国共産党―闇の中の決戦』(日本経済新聞出版社、2016年)

をはじめ、邸海涛や石平が目に付いた。それらの本は権力闘争や陰謀論を強調しすぎている。今回取り上げた"人事"が中国政治を理解するうえで大切な要素であることには間違いない。だが、権力闘争を誇張しすぎると他の重要な論点を軽視しがちになってしまう。中国は日本の25倍の国土を持つ。毎日、何かしらの問題が発生し、地方のトップはそれらの対応に追われている。そして地方を越えて国のトップに君臨するのがチャイナセブンといわれる面々である。彼らが日常業務の大半を内政に費やしていることを忘れてはならない。権力闘争は中国政治の一部に過ぎない。