香港 中環~銅鑼湾

トランジット12hを利用して、香港を観光してきました。中環~銅鑼湾まで歩き、香港の今を目に焼きつける事が目的です。


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徴用工と中国最高指導部の話

光復節からの一連の徴用工問題

光復節そして三・一での演説は、過去に侵略戦争を起こした加害者としての日本という立場から、大目に見る=大騒ぎするべきでない、と思っていたのですが...

徴用工問題について「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」という、個人請求権云々さえも超えたような発言は、いくら国内向けとはいえども看過出来るものではない。そもそもなぜこのようなコメントが出てきたのか、その意図を探る必要がある。日本の重要性低下に伴い、国内政治優先=支持母体への配慮が前面に出てきたのだとしたら、それは深刻に考える必要があるだろう。一面では、(北朝鮮問題故に)日韓電話首脳会談が頻繁に行われており、ある種親密であるように見えるが、アメリカへのポーズという要素も大きい。金基正先生が失脚し、政権内部は運動勢力が強くなっている。映画「軍艦島」が公開され、徴用工が注目されつつある中で、世論に慮った発言をした。高い支持率を背景に攻撃的発言をしてみたか、今後の支持率低下を予期して防御的反応を見せたかのどちらかでしょう。

いずれにしても文在寅大統領と側近の方々が、徴用工の請求権(個人・国家の両方)に関して無知なはずはない。つまり発言は意図的であり、また歴史認識についての発言は一番たちが悪い様に感じる。というのも、日本国民はそれを(強く言えば)一種の挑発ぐらいに受け取りかねないし、更なる対韓感情の悪化が簡単に予想できるからだ。まだ昨年のように、独島/竹島に上陸するくらいの方が、日本国民にも理解可能な話だった。もちろん、韓国の国内政治に何も意味をもたらさない選択肢を考慮することに意味はないが、それくらい大きなハプニングだったということを文在寅政権は理解しているのだろうか。その点が一番気になるのである。

 

胡春華陳敏爾の最高指導部入りについてーー読売、毎日、日経より

陳敏爾については重慶市党委書記を複数年務めるのではないかという勝手な予想をしてが、どうやらハズレのようだ...(汗)。習近平の上海時代のような形を採るということなのだろう。そして陳敏爾の後継に再び信頼できる部下をあてるということだと理解している。残った側近と言えば夏宝龍なのだが、今現在は全人代環境保護委員会のメンバーらしい。彼の動向にも注目しておきたい。いずれにしても、陳敏爾が政治局常務委員入りをし、重慶市党委書記が習近平派で占められるならば、政治局25人は圧倒的に習近平派で固められるということだ。しっかり二期目に備えて、外堀を埋めている。

上海の韓正も(半年の部下生活が幸い!?)最高指導部入りするとすれば、栗戦書汪洋合わせて5名が内定→胡春華陳敏爾を加え7名 the end。王滬寧趙楽際は20大でというのが既定路線になるのだろうか。趙楽際李源潮は中央組織部部長経験者である→彼らの処遇は如何に。個人レベルで興味・疑問が尽きません。

ただし、現状を鑑みつつ大局的に見れば、

1. 胡春華と陳敏爾の序列、2. 王岐山の続投 or 引退

が最も大きな焦点となるだろう。2022年以降の習近平総書記の動向が注目されるからだ。特に陳敏爾が胡春華の上に来るようならば、改革開放以後現在までとはまた異なるフェーズのチャイナを想像する必要が出てくるだろう。

台湾・香港 蔡英文/林鄭月娥

特筆書けることも少ないので台湾・香港とまとめることにした。

 

台湾・・・6月27日、蔡英文政権において最難関かと考えていた年金改革三法案が成立ー優遇利率18%が徐々に引き下げられることになった。十分な功績と言えるのであるが、満意度は30%以下。トランプに比べて公約をしっかり実行している(統計データはない)はずである。しかし、譲歩しているように見える姿勢が国民の支持に繋がらないのか、政策云々より強いリーダーが求められる世の中のようだ。

来年の11月の地方選挙を考慮に入れた行政院長の交代が予想されるが、高支持率を背景に持つ陳菊(Chen Chu)ー頼清徳(William Lai)の二択以外にあり得ない。小笠原欣幸は自身のHPで以下のように述べている「陳菊と頼清徳は行政院長候補としてよく並べて論じられるが、蔡英文の権力関係から見ると意味合いはかなり異なる。どちらのカードを使うかで蔡政権の性質も変化していく」。両者の対中姿勢は大きく異なると感じている、しかし知識の不足故に"権力関係”という視点から読み解くこと出来ないのが残念である; 両者共に最大派閥新潮流派だったはずだ。頼清徳が新潮流派の長老から説得され9月に行政院長に就任するという噂は総統府が否定している。

 

香港・・・林鄭月娥行政長官になって現在の政治の争点は、高速鉄道開通(香港~広州)に付随する出入境管理施設を巡る中国と香港「一国二制度」に関わる問題である。おそらく最終的には香港政府が提案している通り(香港側のターミナル駅に中国側の出入境施設も併設する)で解決されるだろうが、民主派が反発している。先月新たに劉小麗、姚松炎、羅冠聡、梁国雄の議員資格が取り消された。ますます、「親中派」と「民主派」の対立が激化しているように見える。前々から香港の政治は行政長官を中心とした政府及び親中派を中心に動かされ、失政も多いとの評価が一般的であると思う。しかし、民主派も程よい譲歩が出来ないために、大概は決裂という形で終わってしまう。そして現状に不満を持つ若い世代と「本土派」や「自決派」と言った勢力が台頭してきた。香港衆志(黄之鋒Joshua Wong と周庭Agnes Chow)はもはや「一国1.5制度」であると日本にアピールしていった。習近平国家主席は台湾と香港の独立論には強硬な対応をする。日本の数少ない香港専門家の意見をまとめると、お先真っ暗、変革の要素が見当たらないとまで言ってもあながち誇張ではないかもしれない。楽観的に見れる点をあげると、現在世界経済が安定的であるが故に、香港の成長率も昨今高めである。

中国 党大会の行方と経済情勢

次期首相候補と目されていた孫政才が失脚した。堅実さが売りで大胆さに欠けるといった特徴は、薄熙来の後継として毒された思想・根深い腐敗を打破するに、役不足だったようである。現執行部は彼を汚職で失脚させる代わりに、昇格させず政治局委員として残すことも出来ただろう。薄熙来は失脚させる必要があった; 影響力と後ろ楯の有無という点で両者の事情は異なるからだ。

しかし、習近平は波紋を呼ぶことを厭わず首を切ることを決断→早めに陳敏爾に重慶市トップに据えることを選んだ。それ程重慶市の現状に不満があったということなのだろうか。19大で選出される政治局委員に関しては習近平派が大勢を占めることが予想される。つまり、政治局1枠のために孫政才を失脚させたというのはお門違いだと思う。そして陳敏爾が政治局常務委員にジャンプアップする可能性も低くなった。まさかのリリーフではないでしょう。

なるほど、中国の権力争いは複雑怪奇…。

 

ともあれ孫政才が政治局常務委員になる可能性が消え失せたことは間違いない。

報道をまとめると、

100% 習近平

80% 李克強、汪洋、栗戦書

50% 王岐山、王滬寧、趙楽際胡春華、韓正

少なくともここまでで6人は選ばれるはず。

(上記で常務委員9人という選択肢はないか)

残る候補としては李源潮、張春賢、陳敏爾。陳敏爾を隠れ蓑としたまさかのダークホースXのジャンプアップの可能性もある。

まだ北戴河から漏れ聞く有力な話はないと思われる。そろそろ蓋然性のありそうな報道が出てきてもおかしくないと思われる。

 

さて上半期の経済情勢についてレビューする前に、リコノミクスと供給サイドの構造改革の違いについて考えてみたい。昨年から供給サイドの構造改革が最重要政策の1つとなったが、従来のリコノミクスと何が違うのだろうか。

李克強経済学 http://www.china.org.cn/business/2013-07/24/content_29516827.htm

1. No large-scale stimulus package

2. Deleveraging

3. Structural reform

供給サイドの構造改革 https://www.youtube.com/watch?v=0K5twDLlb80

1. Cut industrial capacity

2. Reduce housing inventory

3. Cut leverage

4. Lower corporate cost

5. Improve weak economic links

Q. 何が違いますか? A. 分かりません。

しかし、物事には理由がある訳で、なぜ習近平が首相の専権事項である経済政策の主導権までも握ろうとする必要があるのか。津上俊哉は李克強は実は「安定成長派」であり習近平こそが「改革派」であると主張する。田中修は、1. 国有企業のウェイト 2. イノベーションに対する考え方、について習近平李克強には歴然とした差があると言う; つまり習近平は党ー国有企業を重視する、李克強は公民ー民間企業を重視すると説明した。おそらく双方とも正しいと思う。ただ改革という側面から字面にするだけでは浮かび上がりにくいギャップが両者には存在するのだろう。

 

ところで、なぜリコノミクスと供給サイドの構造改革の違いについてレビューしようと考えたのか。筆者の考えでは、上半期の経済情勢に両者のせめぎあいが見てとれたように感じたからだ。

3つの指標を取り上げる。第21回中国塾の資料を参照

・都市固定資産投資ー1-6月期、前年同期比 8.6%増

・インフラ投資ー1-6月期、前年同期比 21.1%増

・不動産投資開発ー1-6月期、前年同期比 8.5%増

党大会の前だけあって、安定重視ー投資の活性化が見て取れる。しかし、習近平路線に反していないかという疑問がある。細かく見ると投資増は今年3~4月をピークを迎えている→その後若干の減速がみられるのだ。そして今、引き締めを図ろうとしている。安定を重視するならば、今現在こそ好景気であることが必要ではないのか。若干ピークがずれている?これが何を意味するのか→国務院・李克強側が意図的に支出を増やした可能性がある。つけは信託貸付 11.7%増→新たな理財商品流通の可能性。習近平が一番嫌がるリスクを李克強がとったという見方は穿っているだろうか?

下半期、党大会の人事他の動向から特にマクロ経済政策に関して示唆に富んだ話があればいいなと思っている。

 

 

北朝鮮 核と経済の並進路線

トランプ大統領が"with fire and fury"と言った後、朝鮮人民軍がグアム沖へのミサイル発射計画を明らかにしました。直接的な因果関係があるかは未証明ですが、緊張のレベルがまた一段と上がったことは事実でしょう。

専門家の話を聞いても、北朝鮮の核・ミサイル開発が想像以上のスピードで進行していることは間違いない。エンジン開発、核の小型化、再突入の技術に至るまで数年前まではまだ猶予期間があると考えられていた。しかし、今やもう差し迫った脅威として捉えられている。日本や韓国は以前からスカッド・ノドンの脅威にさらされており今更感もなくはないが、対アメリカとなると事態は根本的に異なり、昨今のような情勢となる。北朝鮮金正恩体制が核・ミサイル開発は止めることはほぼ100%なく、凍結で「対話」に合意することも今のところ想定できない。北朝鮮はアメリカが本格的な攻撃を決断することはできないと足元を見ている。そして、それは残念ながら正しく、北朝鮮は全く譲歩する必要性を感じていない。国際政治に変化がないと仮定すれば、北朝鮮は確実な第二撃能力SLBMの発射能力を持つまで; 結局のところ原子力潜水艦が最後の課題となるだろうが、開発を続けていくことになるだろう。

 

今までの国連の制裁決議は核・ミサイル開発に全く影響していないという意見がある。1. 統計に表れない東北三省と北朝鮮の交易を防ぐことが出来ていない。2. 表の交易ラインを塞ぐことによって、むしろ裏のルートの発達を誘発した。3. そもそもミサイルの部品を見ても各国様々な民生用の輸入品が有効活用されている。この中で一番重大なのは北朝鮮中枢を結ぶ裏ルートの開発が進んだことだろう。焦点は今後、北朝鮮が核実験を行い、中国が石油を遮断したとしてダメージを与えられるだろうかといったところか。もちろん、制裁決議が国家というアクターの一致団結を示す場として機能していることは否定しない。そして、国際社会としても制裁を強化していくこと以外の方法がないのだろう。

 

北朝鮮経済に関して、韓国銀行は2016年の成長率を3.9%と見積もった。昨年が若干のマイナス成長だったのでその反動もあった。しかし、実態を表しているかはどうも怪しいと感じている。市場はもはや必要不可欠なぐらい発達している。それは5年前の時点で、つまり金正日の死去の時、市場閉鎖期間を短縮せざるを得なかったという点からも明らかである。地道なフィールドワークからコメの価格や他の消費財の流通について調べている専門家の論文を読む限りでは、北朝鮮経済に混乱は見られない。どこまで統制がとれているかという問題はあるが、大きな亀裂は報じられていない。今後、スピードは別にして、北朝鮮経済が1990年代の苦難の行軍の再来のような苦境に立たされることもなく、成長を続けていくだろう。

そしてその過程の中で、北朝鮮の市民生活に変化が出るのか、それとも強固な統制社会が堅持されるのか、その程度しか事態の打開に関して展望は持てないのだと、悲観的に考えれば、斯様な結論になるのである。

 

韓国 社会矛盾と政治経済

一連の政治スキャンダルで財閥は巨額の寄付を行ったと非難され、サムスンの李在鎔副会長は懲役12年を求刑された。財閥3世ともなると1代目の苦労もほとんど記憶になく、傲慢性やモラルハザードが育つ一方、忍耐力や経営能力すら欠けかちであるという弊害が目立つという。政府及び財団への寄付自体については、歴代続けて行ってきた暗黙の了解であり、政府の配慮を得るために必要不可欠であったという見方も一理ある。しかし、李在鎔副会長にしても出社したのは1年に2回だったとか12回だったとか言われれば、国民の不興を買うのは当然であり、それらが考慮された地裁の判決は見物である。サムスンはグループ会社の再編と持ち株会社への移行を断念する傍ら、配当引き上げと自社株買いを行い、株主の機嫌をとっている。

 

韓国経済は好調を保っている。世界経済が安定→特に輸出が増えて一番恩恵を受けるのは貿易依存度の高い韓国であろう。半導体やディスプレイで圧倒的なシェアを持ち、ここ数年は大きな利益をあげている。一般的に半導体の周期は3~5年と言われ、新興国特に中国のキャッチアップという脅威もあるので繁栄が長続きするとも限らないが、中長期的に見ると半導体の需要は右肩上がりが予想されている。つまり、自浄能力と社会の需要にあった適応能力さえ維持できれば、当分の間サムスン王国(+LG?)は続くのかもしれない。

 

著しいスピードで先進国の仲間入りを果たした韓国ではあるが、社会矛盾という副作用もまた大きい。GDPは世界10~15位、一流企業を抱え、社会インフラは整い、治安も悪くない。一方で、高齢化と社会福祉の問題、若者の高い失業率、広がる格差、乏しい技術革新、政経癒着。これらの課題に大統領は一つ一つ向き合っていかなければならない。

文在寅大統領もまた財閥改革を標榜しているが、現実にはサムスングループの解体などはとてつもないリスクを伴う; 言ってしまえば出来るはずもない。現在のところ、財閥との距離を測りかねているようにも見える。所得税法人税の引き上げを行ったが、莫大な利益を上げる財閥に大きな影響は出ず、特に競争力の低下が起こるとは予想しない。しかしまた一方で現状に大きな変化をもたらすことも不可能なので、果たして高い期待をもった国民が納得するのか否か。公約に掲げた81万人の雇用創出などは対処療法に過ぎないと言われる。注目は予定される最低賃金の大幅な引き上げがいかなる化学反応を及ぼすのか、2012年~22年にかけて2~3倍の変化があるはずだ。

 

北朝鮮に対しては「対話」を呼びかけているが、成果は一向に出ず厳しい状況である。しかし、いくら進歩政権と言えども、事態をただ楽観的に考えていたはずもなく、今後も粘り強く「対話」を提唱し続けるのだろう。この路線は韓国の利益にかなっていると思う; 1. 彼らには中国と敵対する力はない。2. 最終的に統一も考えなければいけない立場。3. アメリカにも「対話」を必要と考える学者は多い。圧力のみで北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止できるのかと言えば、答えはノーでしょう。短期的に体制転換が起こり得ないと仮定しかつ北朝鮮に変化を期待するならば、それは韓国が行おうとしていたような赤十字なりの支援から民主主義の懐の大きさアピール→徐々に地方・民間へと拡散させることによって、下からの革命を誘発するもいう選択肢が一番実効性を帯びる。将来における安定的な統一政策も志向しやすい。

 

韓国の安全保障や政治経済を分析することは難しい。どの国においても情勢を理解するためには当該国の国民性を理解することが不可欠であるが、韓国においては特に大切であると感じる。例えば安全保障環境に関して、日中間において意見が異なっていても、国際政治を見る角度が似ているのでお互いの主張は理解しやすい。ただ、韓国においてはそもそもの前提から異なるので話が噛み合わないことも多い。市民レベルにおいても日本国民と似ているようで異なるのが韓国だ。日本の報道で頻繁に「国民情緒」などの言葉をよく聞いたが、それが唯一の韓国国民を代表する特徴であるわけでもない。

次なる目標は、今一度原点に戻り韓国と言う国を理解することにあるかなと思っている。

日本 内閣改造と成長戦略

森友・加計問題がヒートアップし、内閣支持率が過去最低の35%(NHK)を記録したところで1年ぶりの内閣改造という手を打った。

 

野田聖子の政権入りという予想は93年組という視点から比較的簡単であったと思うが、河野太郎はノーマークでした。個人的に直前に至るまで重要閣僚の外務大臣のポストが決まらないというのは、政権のビジョンの欠如もしくは内閣主導の首脳外交を意図していることを示しており個人的には遺憾な次第。他、霞が関の細かい事情を知らない私は、女性ポストをどう扱うのかという点でまさかの片山さつきもあり得るかと踏んでいたが、おそらくこういう予想はただの阿呆なんだろう。

印象として岸田派が多い。林芳正小野寺五典といった個人個人で見れば全く意外ではないのだが、ここまでの譲歩は正直予想外。石破さんと親しい報道された梶山弘志小此木八郎は菅官房長官に近いイメージ。江崎鉄磨は歴とした二階派というかお父さんや創政会の立ち上げといった往年の"修羅場"を思い出す。世襲組は有利だなと思うのはやはりお父さんを知っているというか、現下の外交で河野外務大臣が述べている通り、認知度が高めだ。副大臣政務官ポストの配分は従来と変わらず。ヒゲの隊長が外務副大臣になった。河野&佐藤(&中根←知らない)で意思疎通は大丈夫なのか?

さて河野太郎とはどのような人物なのだろう。信条・思想etc. この点に関して、いわゆる五大日刊紙の記事に注目していたのだが、特に核心を突いたような報道はなかった。彼が安倍外交に追随するか否かはともかく、彼自身がどのような外交をイメージしている政治家なのかいまいち追いきれていないと感じる。残念ながら当分の間は対米・中・韓関係を受動的に精査するということになるだろう。

 

安倍仕事人内閣は経済第一と銘打った。とは言っても打てる金融政策はほぼ底を打ち財政政策には限りがある。となると成長戦略に力を入れるべきなんだが、女性活躍→一億総活躍→人づくり革命とネーミングを変えつつ労働力の確保(?)に向けた政策をアピールするのみで、全要素生産性を高めるための技術革新の奨励だとか、潜在成長力の核となる政策を打ち出すことに失敗している。将来の生産年齢人口の減少に対する根本的な解決策は出生率を回復させること以外にあり得ない。まず、人づくり革命というならば国民が子どもを産みやすい環境の整備に全力を尽くすべきで、例えば教育の無償化は良い試みであると考える。お隣の国の成果はともかく、女性家族省を立ち上げるなども対策の1つとなるだろう。そしてベクトルを将来の先取りに向けることが大切ではないか。構造改革が何より重要であると思う。メディアの報道が全てでないと願いたい。

 

そして気になるのはマイナス金利政策の出口であろう。人工的に作られた市場と日銀による国債の貯め込みはおそらく、長期的に持続可能ではない。銀座の一等地で地価の上昇が見られたりなどはあるが、かつてのバブルの再来もまた想像に難しい→そういった意味においてはマイナス金利も悪くないのだが、問題はFRBなりECBが引き締め目的に金利を引き上げていった時、日本にも利上げ圧力が高まることだ。マイナス金利への固執は大きな反動を生む。円と債券相場の暴落が起これば、日本はどうなるのだろう。日本においては債権者もまた大半が日本国民であり問題ないという考え方もあるが、納得できるようで納得できない話でもある。国民と国家は一心同体であると言えばそれまでなんだが。

最近、そもそも物価上昇率2%という目標自体が正しいのかという議論があるが、それが間違っているとは思っていない。

しかし、消費者物価指数もまた曲者であり、例えばバブル期も最後まで上がらなかった。当時も企業や法人とは異なり個人は一部を除いて出費増に慎重だったという見方もある。需要が高まらなければ物価が上がることもない。また、値下げ競争に対する日本企業の優秀性といった要因もあると思う。そしてもちろん、為替とエネルギー価格によっても大きく左右される。

政府と日銀には上手く落としどころを見つけなければならない。今は誤ったシグナルを出せないがために選択肢も狭まり、行き詰まっているといったところだろうか。

 

昨日、知り合いと日本経済について話をしている時、数多くのアジア特有の問題; 日本に遅れて中国・韓国も高齢化と財政の悪化が予想されていることを踏まえて、停滞はアジアの思想文化が元凶なのではないかというまた元も子もない1つの結論の候補が出た。キャッチアップの終わりの段階を向かえ、中国はe-コマースの分野で韓国は半導体の分野で、現在は好調といえるかもしれない。しかし、問題はキャッチアップを越えた後の成長であって、両国は成長率は低下する一方であろう。もちろん現在の日本に比べると随分と高い水準であるともいえるのだが、バブル期と比べ相対的に悪くなった今の日本の一人当たりGDPにすら追いつくことは難しい。そしてアメリカは長期的な高成長を享受している。ヨーロッパも低成長であるが、生産性に優れている社会だ。これらの違いは何に起因しているのだろうか。希望が持てる1つの結論の候補はイノベーションの駆動力であり、内閣にはぜひともイノベーションをアピール→前に進めてもらいたい。